仮想マシン(VMware)の復元には3通りあります。フルリストア、仮想ディスク単位の復元、ファイル単位の復元です。ここでは、仮想マシン(VMware)のフルリストアの方法と概要についてご説明します。
<バックアップ元と同じ場所に復元する場合の概要>
- バックアップ元と同じ場所に復元する場合、オリジナルの仮想マシンは上書きされます。バックアップされていない新しい VM ディスクがある場合、復元するとこの VM ディスクはデタッチされます。
- 仮想マシンに独立型ディスクが紐づいている場合、復元後にこのディスクはデタッチされます。
- 仮想マシンがバックアップされたディスクをデタッチしていた場合、下記の通りリネームされます。
<オリジナルの VMDK 名>_phoenix_<タイムスタンプ>.vmdk - ユーザが作成したスナップショットは、復元後全て削除されます。
<バックアップ元と異なる場所に復元する場合の概要>
- バックアップ元と同一の vCenter 配下か、あるいは 3.1 バージョンより新しいバックアッププロキシを1つ以上持つ vCenter 配下に復元できます。
<共通手順>
- Phoenix 管理コンソールにログインし、上部メニューから該当の Organization を選択します。
- 上部メニューより、「Protect」>「VMware」を選択します。
- 復元したい vCenter/ESXi host 名をクリックします。
- 「Configured VMs」タブより、復元したい Virtual Machines にチェックを入れ、Restore > VM Restore をクリックします
- 「Full VM Restore」をクリックし、復元したいスナップショットを選択します。
- Proceed to Restore をクリックします。
- 下記の復元先を選択できます
- Restore to original location:バックアップ元と同じ場所に復元します。この場合「Finish」をクリックし完了です。
- Restore to alternate location:バックアップ元と異なる場所に復元します。詳細な手順などは下記をご参照ください。
<バックアップ元と異なる場所に復元する手順>
- <共通手順>の手順 7. にて、「Restore to alternate location」をクリックします。
- 下記の項目を入力します。
Destination VMware Setup : ドロップダウンリストより、復元先に指定したい VMware を選択します。
Backup Proxy Pool :ドロップダウンリストより、バックアッププロキシプールを選択します。復元先に指定したいハイパーバイザーと接続されているバックアッププロキシを含んだバックアッププロキシプールを選択することを推奨しています。
Destination Hypervisor:ドロップダウンリストより、復元先に指定したい ESXi ハイパーバイザーを選択します。
Destination Datastore : ドロップダウンリストより、復元先に指定したいデータストアを選択します。
Computer Resource : 復元先に指定したいホストやクラスター、リソースプールを選択します。このオプションは、スタンドアローンの ESXi に復元される場合は使用できません。
Folder :復元先に指定したいデータセンター配下のフォルダを選択します。このオプションは、スタンドアローンの ESXi に復元される場合は表示されません。
Network : 復元先のハイパーバイザーにて選択可能なネットワーク設定を選択します。
・ネットワークアダプターが仮想マシンに紐づいていない場合、Phoenix は VMXNET3 か VMXNET2 を紐付け、復元します。
・バックアップ時にネットワークアダプターが仮想マシンに接続されていた場合、バックアップされたネットワークアダプターと選択されたネットワーク設定を使用して仮想マシンを復元します。
・バックアップ時に複数のネットワークアダプターが仮想マシンに接続されていた場合、Phoenix はすべてのアダプターと選択されたネットワーク設定で仮想マシンを復元します。
Recovered VM Name(オプション):復元された VM に名前をつけたい場合は 80字以内で入力します。 - 上記を記入後、「Finish」をクリックします。その後復元の事前チェックが行われます。
<復元処理>
Finish をクリックすると、復元が実行されます。※ ただし、バックアップ job が動作している場合、「バックアッププロセスが動作しています。バックアップジョブをキャンセルしますか?」というポップアップが表示されます。「Yes」をクリックした場合、バックアップはキャンセルされます。なお、Job ページでは、キャンセルされたバックアップジョブは PHOENIX 247 エラーとなります。「No」をクリックすると、リストアリクエストはキャンセルされます。
※ すでに別の復元が動作している場合、エラーになります。同時に復元作業を複数行うことができないためです。
<バックアップ後の構成変更の影響>
仮想マシンのバックアップ後に、名前、メモリ、vCPU などの仮想マシンの構成を変更する場合:
- Phoenixは、復元時に更新された構成を上書きします
- 変更された構成は、仮想マシンがバックアップされたときの構成にロールバックされます。
- さらに、VMware ハイパーバイザーは、以下の場合 thin disk を thick disk に変更します。
バックアップ時に変更されたブロック追跡(CBT)が無効にされていた場合:
- 仮想ディスクは、バックアップ時に NFS データストア上に作成された仮想マシンに接続されていました。
- シンディスクのすべてのデータブロックは、バックアップ時に割り当てられました。